外来種図鑑

沖縄県は、県内の生態系や、県民の生活・社会活動への影響が大きい
以下の外来種について、重点的に対策をとっています。

アメリカハマグルマ

Sphagneticola trilobata

分類:
維管束植物 双子葉・合弁花類 キク科
和名:
アメリカハマグルマ
学名:
Sphagneticola trilobata
英名:
Creeping daisy
原産地:
中央アメリカ
指定項目:
重点対策種(沖縄県)/緊急対策外来種(環境省)

形態・生態

多年草で、葉の長さは 5~10cm、幅 2~5cm で、表面には剛毛が生えておりザラザラしています。4cm ほどの黄色い花が咲きます。つる状に匍匐して接地部から根を出して伸び、長さ 3~5m になります。繁殖力が非常に強く、他の植物が全く生えないほど繁茂することがあります。日当たりの良い場所では大きな群落を形成します。


沖縄への侵入経路と分布域

1970年代に法面などの緑化用として県内各地に導入されました。公園、農耕地、林道脇、河川、湿地等のさまざまな環境に侵入・定着しています。

県内の分布:沖縄諸島(沖縄島、伊計島、津堅島、浜比嘉島、伊江島、久高島、渡嘉敷島、座間味島、阿嘉島、慶留間島、久米島、南大東島)、宮古諸島(宮古島、伊良部島、下地島)、八重山諸島(石垣島、鳩間島、新城島、嘉弥真島、黒島、西表島、波照間島、与那国島)


生態系と私たちの生活への影響
生態系への影響

繁殖力が強く、他の植物の生育環境を奪って繁茂します。匍匐して伸びることから、他の植物に覆いかぶさることもあります。また、在来の近縁種であるハマグルマやキダチハマグルマとの交雑も心配されています。

私たちの生活への影響

他の植物が生育できないほど繁茂するため、農作物への影響が懸念されています。


沖縄県の対策

沖縄県ではアメリカハマグルマを「重点対策種」に指定し、2022年度から外来種対策事業(植物対策)を開始しました。

やんばる地域と西表島で設定した警戒対象地において、アメリカハマグルマの防除を実施しています。


県民の皆様ができること

現在ではグラウンドカバー植物として使用されていませんが、これ以上の拡散・蔓延を防ぐためにも、野外植栽や除草後の投棄はしないようお願いします。


ギャラリー
被覆状況①
被覆状況②
被覆状況③
被覆状況④

ダウンロード可能資料

「沖縄県重点対策種アメリカハマグルマの拡散防止にご協力ください」

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参考・引用文献