外来種とは?

外来種って何?

 外来種(がいらいしゅ)とは、人間によって本来の生息地以外に持ち込まれた生物のことです(本来の生息地に生息・生育する生物は、在来種[ざいらいしゅ]とよばれます)。外来種は、わたしたちにとって、とても身近な存在です。イヌ(原産地不明)やネコ(中東~北アフリカ原産)、それにハイビスカス(原産地不明)などの園芸植物、また道ばたのギンネム(中南米原産で1910年に導入)やムラサキカタバミ(南米原産)も外来種です。

 また、外来種はわたしたちのくらしに欠かせない存在です。たとえばイネ(中国原産)、ゴーヤー(熱帯アジア原産)、サトウキビ(ニューギニア原産)、デイゴ(インド~マレー半島原産)も外来種です。外来種がいなければ、わたしたちの生活や文化は成り立っていかないのです。

外来種の何が問題なの?

 外来種は人間がきちんと管理していれば、問題になることはほとんどありません。しかし、野外に逃げ出したり捨てられてしまった動植物や、貨物にまぎれて気づかぬうちに持ち込まれてしまった動植物など、人間が管理できていない外来種は、生きるために畑の作物やほかの生き物を食べたり、身を守るために人を攻撃したりすることがあり、その結果、地域の生態系や環境にさまざまな悪影響をおよぼしてしまうことがあります。

こうしたわたしたちの生活や地域の生態系に対して影響の大きい外来種を、「侵略的外来種(しんりゃくてきがいらいしゅ)」と呼びます。

 沖縄県では侵略的外来種に対し、駆除をはじめとしたさまざまな対策をとっています。なぜそうしているのでしょうか。その理由はおもに3つあります。

  1. わたしたちのくらしや社会を守っていくため。侵略的外来種がもたらす、わたしたちの健康や農林水産業への被害は、放置しておいても解決できません。
  2. 沖縄県の自然環境は、わたしたち県民の大事な資産であるため。侵略的外来種が地域の自然環境や生態系をだいなしにした場合、その余波は、いずれわたしたちのくらしや社会にも、なんらかの形でおよんでくるかもしれません。
  3. 対策が遅れるほど、被害は拡大し、必要な経費や労力は増大してしまうため。侵略的外来種への対策は、必要な対処を、できるだけ早期に行うことが基本です。その一方で、ひとたび定着してしまった侵略的外来種の駆除は、多くの場合簡単ではありません。計画的・長期的に対処していくことも求められます。

侵略的外来種による被害を防止するために(外来種被害予防三原則)

侵略的外来種を作りだし、それを拡げてきたのは、わたしたち人間です。外来種を適切に管理して、これ以上侵略的外来種を拡げないこと、新たな侵略的外来種を作り出さないことが大切です。環境省は、侵略的外来種による被害を防止するため、以下の3つの原則を守ることを提唱しています。

  1. い(入)れない
    人や自然にたいして悪影響をおよぼすおそれのある外来種を、自然分布域以外の地域へ入れないようにしましょう。
  2. す(捨)てない
    飼っている・栽培している外来種をきちんと管理し、捨てない(あるいは逃がさない・放さない・逸出させない)ようにしましょう。生きものを捨てたり、野外に放した結果、それが繁殖して侵略的外来種のもとになってしまうかもしれません。
  3. ひろ(拡)げない
    すでに野外にいる外来種を、他地域に持ち込んで拡げない(あるいは増やさない)ようにしましょう。どのような種が侵略的外来種なのか、またどのような行いが侵略的外来種を作り、そして拡げてしまうのかについて、正しい知識を持っておくことが必要です。