外来種図鑑

沖縄県は、県内の生態系や、県民の生活・社会活動への影響が大きい
以下の外来種について、重点的に対策をとっています。

ハヤトゲフシアリ

Lepisiota frauenfeldi

分類:
昆虫綱 ハチ目 アリ科
和名:
ハヤトゲフシアリ
学名:
Lepisiota frauenfeldi
英名:
Browsing ant
原産地:
南ヨーロッパ
指定項目:
重点対策種(沖縄県)・特定外来生物(環境省)

形態・生態

体長2.5~4 mm程度のヤマアリ亜科のアリです。11節からなる長い触角を持ち、中胸部が細くくびれ、前伸腹節後背部に1対の刺状突起を持ちます。県内で確認されている個体群の体色は全身が黒色のものが多いですが、他の地域で確認されている個体群では頭部や胸部、腹柄、脚が赤いことが知られており、体色には変異が見られます。また、素早い動きも特徴の一つとなりますが、県内にすでに定着しているヒゲナガアメイロアリと動きや大きさがよく似ています。


沖縄への侵入経路と分布

国外、あるいは国内の定着地からの貨物・コンテナと共に侵入したと考えられます。発見された場所は、那覇市の那覇新港と周辺の道路沿い等です。

国内では東京港・名古屋港・大阪港・博多港など、国外では地中海沿岸から中近東、オーストラリア・グアム・台湾等に定着しています。


生態系への影響

侵略性等に関する知見は少ないものの、アルゼンチンアリと同程度の侵略性があると指摘されています。多女王性でスーパーコロニーを形成し高い増殖性を持ち、また、他種のアリ類を襲って捕食することや、昆虫などの小動物を襲うことなどが知られています。


沖縄県の対策

沖縄県では、県内で発見後にただちに本種を重点対策種とし、沖縄科学技術大学院大学や琉球大学の研究者、また環境省などの協力を得て駆除に取り組んでいます。また、本種の侵入を早期に発見するために、主要港湾地域において年1回のモニタリング調査を行うほか、関係機関の職員を対象に、アリ類の同定研修会を開催しています。