外来種図鑑

沖縄県は、県内の生態系や、県民の生活・社会活動への影響が大きい
以下の外来種について、重点的に対策をとっています。

クロマルハナバチ

Bombus ignitus

分類:
ハチ目ミツバチ科
和名:
クロマルハナバチ
学名:
Bombus ignitus
英名:
Japanese bumblebee
原産地:
日本(本州、四国、九州)、朝鮮半島、中国東北~中南部
指定項目:
産業管理外来種(沖縄県)

形態・生態

女王バチ、雄バチ、働きバチからなる社会性の昆虫で、全身が毛で覆われています。働きバチと女王バチは全体的に黒く、おしりがオレンジ色であることが特徴です。雄バチは全体的に黄色で、胸と腹に黒い帯があり、おしりがオレンジ色です。体長は、働きバチ 12.4~18.8mm、女王バチ 21.0~23.8mm、雄バチ 15.6~18.8mm です。腹部先端に毒針を持ちます。攻撃性は低くおとなしいハチですが、素手で触ると刺されることもあるので注意が必要です。雄には毒針はありません。

4 月上旬から 6 月下旬に新しい巣が作られます。森林の地中のノネズミの穴などを利用して巣を作ることが多く、5 月下旬から 9 月下旬にかけて働きバチを産出しコロニーを発達させます。8 月上旬から 10 月上旬に新しい女王バチと雄バチを産むと、女王バチはその一生を終え、コロニーも崩壊します。新女王は交尾後越冬し、春になると単独で巣を作り始めます。

花の蜜や花粉を餌にしており、農業では主にトマトの受粉のために利用されます。


県内での利用・確認状況

現在、沖縄県内では、農家がトマト栽培等に利用しているほか、他の作物への利用についても実施・検討されています。セイヨウオオマルハナバチの利用が制限されていることから、今後、利用の拡大が予想されます。


想定される影響

クロマルハナバチは本州、四国、九州の在来昆虫であり、近年になって受粉昆虫として利用されるようになったため、生態系等への影響については報告がありませんが、沖縄県には在来のマルハナバチ類がいませんので、その他の在来のハナバチ類との競合や、盗蜜等による在来植物への影響が懸念されます。

クロマルハナバチには法的規制はなく、管理は利用者の自主性に任されている状況ですが、沖縄県においてはクロマルハナバチは外来種であることから、逸出防止対策が必要です。

なお、原産地である本州、四国、九州では、農業で利用されるクロマルハナバチが野生のクロマルハナバチと交雑し遺伝子撹乱が起こることが懸念されていますが、沖縄県には在来のマルハナバチ類が生息していないため、遺伝子撹乱の心配はありません。

 


沖縄県の対策
モニタリングによる逸出状況の把握

クロマルハナバチが利用されている地域において、モニタリング調査を実施し、逸出状況を把握します。また、モニタリングにより、定着の早期発見に努めます。

農家に対する逸出防止対策の促進

モニタリング結果等を考慮し、必要に応じて逸出防止のための対策を実施します。

野外営巣が確認された場合の迅速な防除

外来種の定着を防ぐには、早期発見・早期防除がきわめて重要です。モニタリングやその他の情報によって野外営巣が確認された場合には、速やかに防除を実施します。

普及啓発

ホームページ、イベント、チラシ配布等を通じて適正管理の必要性等を県民や関係機関へ周知すると共に、発見情報の収集や管理、調査に向けた協力などが得られるように取り組みます。


適正管理の方法

外来生物法により、セイヨウオオマルハナバチを飼育する際には、適切な管理体制が求められます。一方、クロマルハナバチには法的規制はありませんが、沖縄県においてはセイヨウオオマルハナバチとクロマルハナバチはともに外来種であり、同等のリスクがあります。そのため、クロマルハナバチについても、外来生物法によりセイヨウオオマルハナバチの飼育において求められるハウスの基準や管理体制が確実に守られなければいけません。以下に、施設管理における注意点を列挙します。

ネットに隙間がないか

天窓、側窓、換気扇など、隙間ができやすいところにも確実にネットを張る。

ネットやビニールにやぶれはないか

定期的に点検し、破損はすぐに補修する。

出入り口は二重になっているか

出入りの際に開け放たれ、ハチが逃亡しないように注意する。

ハウスの外で巣箱を運ぶとき、二重囲いにしているか

巣箱をさらに別の箱や袋などに入れて運ぶ。

使用後、ハチを確実に処分しているか

巣箱ごとビニール袋にいれて密封し、直射日光に当てておく、あるいは巣箱に熱湯を注ぐなどして確実に処分してから廃棄する。

その他、許可の標識の掲示、許可数量、更新手続等、外来生物法によって定められた条件を遵守する必要があります。


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