外来種図鑑

沖縄県は、県内の生態系や、県民の生活・社会活動への影響が大きい
以下の外来種について、重点的に対策をとっています。

カミツキガメ

Chelydra serpentina

環境省提供
分類:
爬虫綱 カメ目 カミツキガメ科
和名:
カミツキガメ
学名:
Chelydra serpentina
英名:
Snapping turtle
原産地:
北米~南米
指定項目:
重点予防種(沖縄県)・特定外来生物・緊急対策外来種(環境省)      

形態・生態

大型のカメで、背甲長は最大で50cm、体重は 30kg に達します。背甲には3本の強い隆起があり、後端のギザギザが顕著です。腹甲は小さく十文字状です。水棲傾向が強く、湿地や池沼などの止水や緩やかな流れの河川に生息し、砂泥質で水生植物や流木、岩などが多い環境を好みます。
雑食性で、主に魚類、両生類、小型の爬虫類、その他水棲無脊椎動物に加え、哺乳類も含めた動物の死骸や水草など植物質も食べます。通常は1 年に 1 度産卵し、産卵数は20~30個から 100 個を超えることがあります。千葉県の印旛沼流域では6月に産卵が集中するようです。寿命は80年の記録があります。


分布

野外での確認事例は北海道から沖縄までの各地からあります。千葉県の印旛沼とその周辺水系では定着しており、駆除が行われています。また、神奈川県、静岡県、大阪府などで、近年生まれたと考えられる幼体が見つかっています。


想定される侵入経路

飼育個体の遺棄がおもに想定されます。かつてはペットとして安価で販売されており、成長すると大型で気が荒くなるため、捨てられた個体が日本各地で見つかっています。特定外来生物へ指定されて以降は、愛がん目的の新規の飼養は原則としてできなくなりました。しかし寿命が長いため、かつて遺棄された個体が生きのびている可能性があります。


想定される影響

在来種の捕食による生態系への影響が懸念されます。とくに魚類や両生類、水棲無脊椎動物をはじめとする水生生物に大きな影響を及ぼすおそれがあります。また、鋭い嘴と爪を有し、陸に上げられた個体は攻撃的であるため、人への被害が懸念されます。


沖縄県の取り組み

県内においても過去に目撃や捕獲情報がありますが、具体的な地域や目撃数は不明です。そこで目撃情報を収集する他、必要に応じてトラップ等を用いて調査し、カミツキガメがいないかどうかを確認します。カミツキガメが野外で発見された場合は、速やかに駆除を実施するともに、周辺地域においても生息状況を調査します。


ギャラリー
環境省提供
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参考・引用文献